「認知症になるって、どんな感じだろう」・・模擬体験プログラム 山口文江 都議会議員
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2006 年 7 月 25 日     カテゴリ:活動報告
「認知症になるって、どんな感じだろう」・・模擬体験プログラム

アルツハイマー型認知症のKさん。到着したデイサービスの入り口で、何のためにどこに連れてこられたかの戸惑い職員の声かけに抵抗するばかり。周りの人が声をかければかけるほど頑なに「帰ります。帰りたい。」と、不安が募る様子。なんとか、中に入ったものの落ち着いて椅子に腰掛けることもできず、うろうろして「ここはどこ?」と尋ねまわります。トイレに促されたところが自宅とは違う洋式トイレ。便器を洗面器と思い顔を洗ってしまいます。肝心の用は足せず、とうとう一人でトイレに向かいます。廊下の隅を自宅のトイレと思い込み用を足してしまい大騒ぎに・・・・。

これは、認知症模擬体験プログラムで初めに観るビデオの場面です。それぞれの場面を介護者の目線と、Kさんの目線で捕らえたカメラアングルを見比べることや、認知症模擬演技者(SPSD)の演技中の心情を聞くことにより、少しKさんの心持を感じとることができます。この後、ファシリテターのリードで認知症模擬演技者と、参加者によるロールプレーが始まりました。与えられる情報は、認知症Kさん本人の様子と家族背景、家族構成です。
参加者は、場面設定によりヘルパーやお嫁さんとしてKさんとやりとりをします。演技者は、特に役柄を意識して演じているわけではないけれど「その人」になりきってしまいます。つまり、模擬体験することになるのです。わずか5分ほどの演技の後、感想を語ってもらいます。他の参加者=観衆は感じたことや考えたことを述べたり、質問をしたり、時には、参加者内の経験者からの体験を聞くなどして進めていくなかで、それぞれにいろいろな気づきを体験するのです。人間は、一人ひとり違う個性を持ち、違う人生を生きているのですから、対応のしかたにも多様性があることを確認しその多様性に柔軟に対応することの大切さを学び合うのです。このプロセスにこそ大きな意味があるのだと思います。認知症の人とのコミュニケーションには、適当な距離を保ち接することと、なにより想像力と豊かな感性が必要のだと感じました。
東京都は「認知症高齢者を地域で支える都民会議」第一回を7月10日に開催しました。今後、約1年をかけて、どういう支援をしていくのか、具体的な仕組みづくりを考えていくといくことですが、完璧なケアマニュアルなど存在し得ない対人支援には、まず、世代を超えた多くの人が認知症を理解するために、模擬体験できるプログラムを活用してはどうでしょうか。


SPSD(Simulated Person with Senile Dementia)による認知症模擬体験とは 
もともとは医学教育の中で医学生が患者の不安や悩み、痛み、苦しみを受け止めることに対する教育カリキュラムがなく、病気で苦しんでいる患者自身を人間とて支えられる医師を養成することをめざし、アメリカの医学教育を参考にスタートしたのが、「模擬患者」を使ったワークショップ形式のアクションプログラムです。それを更に認知症に特化したのが、「SPSD」(認知症模擬演技)です。



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