この夏、 環境を考える・・・・。 その2 尾瀬の自然保護 山口文江 都議会議員
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2007 年 9 月 10 日    
この夏、 環境を考える・・・・。 その2 尾瀬の自然保護

今日(8月30日)、日光国立公園から独立して、新たに、尾瀬国立公園が誕生した。至仏山や燧ケ岳の2000M級の頂に囲まれた尾瀬は、広大な高層湿原と沼からなり、春から夏にかけてミズバショウやニッコウキスゲをはじめ、数多くの湿原植物に彩られる。

その面積の約70%を所有する東京電力が取り組んできた自然回復と、自然保護の取り組みを見学するとともに、至仏山登山に臨んだ。

1960年代、尾瀬ブームにより大勢のハイカーが押し寄せ、尾瀬の自然環境は危機に直面した。当時、木道や公衆トイレなどの設備が整のっておらず、ハイカーの数が増えるにつれて自然は荒廃していった。

緑を守りながら尾瀬の美しさに触れることができるよう敷かれた木道のうち、東電が群馬県内の所有地を中心に木道敷設と維持管理を行っている。折れにくい国産カラマツ材を使っても、湿原の中では10年前後で架け替えが必要となるため、毎年計画的に整備しているという。

同じ60年代、ハイカーに踏み荒らされ、湿原を形成する泥炭層がむき出しになったアヤメ平においては、69年から積極的な湿原回復作業が開始され、荒れはてた部分の90%を東電が担っている。尾瀬の湿原全域に分布するミタケスゲの繁殖がその他の植物の繁殖につながると、まず、水による流出を防ぐため水はけ用の穴をあけ、ミタケスゲの種を捲き、風で飛ばないよう藁ごもで覆う作業によってほぼ植生を回復させた。(この部分は説明のみ、ちなみアヤメ平は、キンコウカの葉をアヤメと間違え名づけられたとのと)現在も、この回復作業は続けられている。

豊富な清流を守るために、公衆トイレには高機能の浄化槽の設置、また、
私たちが泊った東電小屋では、太陽光発電によって約2割の電力がまかなわれていた。(富士見峠でも公衆トイレ2か所で太陽光発電により、浄化槽から照明までトイレで使うすべての電気をまかなっているという)

さらに、戸倉山林では、10年前からボランティアの人々が植林を行っており、
成長したブナの林を見学させてもらった。この戸倉山林は水力発電の水源涵養林となっている。下草刈りのボランティア活動もあると聞いて、参加者の中から参加したいという声も聞かれた。

誰にもできるのが、目についたゴミを拾い持ち帰ること。グリーンボランティアと呼んでいる。60年代、群馬県側だけでも数百のごみ箱があり、捨てられたゴミを片付ける作業と格闘していたという。72年、ごみ箱撤去の提案を東電が行い「ごみ持ち帰り運動」が進められたが、浸透するまでに10年かかったと関係者のことば。

また、尾瀬固有の植物が外来種によって追いやられないよう、東電では群馬県側の入山口すべてに種子落しマットを敷いており、私たちも靴底を払って至仏山に入った。8月も20日過ぎになると、さすがに花の数は減っていたが、紫のヒメシャジン、白いウメバチソウ、タカネトウウチソウ、イワシモツケ、ヤマハハコ、濃いピンクのジョウシュウオミアザミなど、都会では見られない可憐な花に出会えた。そして、晴天に恵まれ360度の大パノラマを満喫することができた。

さまざまな取り組みにより尾瀬の環境が守られ、木道や登山道の整備により訪れる人々がより安全に自然を堪能することができる。ただ、尾瀬の環境を守っている東電が、一方で原子力発電の事業者ということに複雑な思いで下山してきた。




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