2008 年
8 月
20 日
森は緑のダム 多摩川源流ツアー
〜〜はじめの一滴を見に行こう!〜〜
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地域ネットでは、地域の水辺の調査活動を市民とともに行っています。 先日掲載した「石神井川を歩く」は練馬ネットの企画でした。 川と言えば水域の保全が欠かせません。そこで、東京ネット企画「多摩川源流ツアー」(7月18日)に参加しました。
多摩川の初めの一滴は奥秩父の笠取山(1953m)の頂上近い1865mの水干(みずひ)にあります。水干とは、本来は「沢の行き止まり」という意味ですが、ここでは地名になっているということです。落葉広葉樹の森が育んだ、豊かな伏流水が無数の沢や湧水となって地表に現れ、小さな流れを集めながら多摩川となり東京湾に注ぐ、その距離138qの源をたどる往復約10qの山歩きです。
中央高速インターチェンジ勝沼をおり、柳沢峠からつづら折りの山道を登ること約1時間、本日の登山口作場平口に到着。本谷川、ヤブ沢、水干沢と多摩川の源流沿いに登っていくコースです。案内人は、多摩川源流研究所の堀越弘司さん。堀越さんは今年の3月まで都の水道局に勤務し、多摩川の水源林保全を仕事としてこられた「森の専門家」です。中学生のころ単行本「日本の植物」を新聞書評で知り、手にしてから植物への関心をたかめ大学では「林学」を学ばれたということです。
ここの水源林は約21000ha。1901年から当時の東京府が、東京の水源を守るために水源林経営として始め、焼畑農業を原因とする山火事で裸山となっていたところには、ヒノキ、ハリギリ、ミズナラ等を植え人工林として再生し、広葉樹を主体とする天然林も守ってきたそうです。足もとのふかふかした土壌からは森の優しさが伝わってきます。 この土壌は、1時間200ミリの雨水を、河川へ流したり、地下水へとゆっくり 浸透させていくのだそうです。土の中を通っていくうちに、微生物によって分解されたり、ろ過されながら汚れが取り除かれていくのです。
森に入り1k程のところで、沢ではないところから地上に顔を出す地下水=中間水を教えていただき、笹の葉を水道管としてそれぞれ口に含んでみました。じつに美味しい!! 山を登るにつれて変化する森林の様子、それぞれの木々の特性や特徴、シカ被害がもたらす森の危機について、川の水量が森の水源能力の高まりを示すこと、水の流れに光る苔は上流が荒れていないことを証明していること、さらに、メボソムシクイの鳴き声、エゾハルゼミの空蝉、等々、「森の素晴らしさや楽しさを皆さんに伝えたい」と、本当に丁寧に説明をしていただきました。
昼食は途中の笠取小屋で、大菩薩嶺などの素晴らしい展望をおかずに空腹を満たし、はじめの一滴水干にたどり着きました。数秒間に一滴、また一滴と感動の瞬間です。辺りにはキオン、深山コンギク、ソバナ、トリカブト(まだ蕾でした)などが彩りを添えていました。そして、水干から50m程下ったところで湧水となる、これこそが多摩川の源流水干沢です。水場として登山者の喉をも潤してくれる、まさに「甘露」です。
「森を知ることは森をよく観察すること」堀越さんの言葉です。森林保全の大切さはだれもが知るところですが、どのようにして保全していくかは、森に入り森に教えてもらうことだと知り、人間の謙虚な姿勢が問われることを学び機会になりました。
「水源地ふれあいのみち」は、1994年、水道料金値上げを契機に、都民への還元と自然保護を訴える機会として整備されたそうです。森林の持つ働きと自然の素晴らしさを堪能できるハイキングコース、皆さんも是非訪ねてください。
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